約75000円の闘い。
2020年秋に発売されたスマートフォン、Google社のPixel 5とApple社のiPhone 12 mini。
どちらも小型軽量スマホに分類されたり、多眼化が進むスマホのカメラ界でレンズの数が「広角(メイン)と超広角」の2つにとどまったりとなにかと共通点が多い2台をメインとして使用しているので今回比較してみることにしました。
スペックの比較
機種 | Pixel 5 | iPhone 12 mini |
---|---|---|
プロセッサ | Qualcomm Snapdragon 765G | A14 Bionic |
RAM | 8GB | 4GB |
ストレージ | 128GB | 64GB、128GB、256GB |
画面サイズ | 6.0インチ | 5.4インチ |
解像度 | 2,340 x 1080 | 2,340 x 1,080 |
画面リフレッシュレート | 90Hz | 60Hz |
生体認証 | 指紋認証 | 顔認証(Face ID) |
幅 | 70.4mm | 64.2mm |
高さ | 144.7mm | 131.5mm |
厚さ | 8.0mm | 7.4mm |
重量 | 151g | 133g |
防水防塵 | IP68等級 | IP68等級 |
カメラ | メインカメラ: 1220万画素 F1.7 視野角77° 超広角: 1600万画素 F2.2 視野角107° | メインカメラ: 1200万画素 F1.6 超広角: 1200万画素 F2.4 視野角120° |
インカメラ | 800万画素 F2.0 視野角83° | 1200万画素 F2.2 |
Felica | あり | あり |
ワイヤレス充電 | あり | あり |
AndroidスマホとiPhoneをスペックだけで比べることはナンセンスだとは思うのですが、参考までに。
こうしてスペックだけ見るとA14 Bionicというハイエンドチップを積んでいながらも75000円で購入できてしまうiPhone 12 miniはコスパがスゴイなぁと印象。(その場合ストレージは64GBですが)
Pixel 5もプロセッサはミドルレンジクラスのものですが、RAMやストレージは余裕を持てるレベルで(重い3Dゲームをしない限りは)安心できます。
大きさ、重量はどちらも小型軽量ですがやはりiPhone 12 miniは特にそれが際立ちます。
小さすぎて人によっては写真や動画等のコンテンツが見にくいと思ってしまうかも…。
もう一つ大きな違いとしてあるのが生体認証。
Pixel 5は「指紋認証」、iPhone 12 miniが「顔認証(Face ID)」を搭載しています。昨今のマスク生活に寄り添ってくれるのはPixel 5ですが、自宅等のマスクをする必要がない場所ではiPhone 12 miniも認証の煩わしさを感じることなく操作することができます。
それぞれの細かな外観が見たい方は開封レビューの記事を書いていますのでそちらをどうぞ!
ベンチマーク
ベンチマークについては詳しくはないのですが、比較ということでGeekbench5で計測した数値を載せます。
こうして見るとiPhoneがシングルスコアでもマルチスコアでもPixel 5の3倍弱の数値を叩き出しています。
すごいぜ。
その数値通りiPhone 12 miniは何をするにもサクサクですが、Pixel 5は「3Dゲーム等の極端に重いアプリ」を動かす時だけ少しカクつきます。
それでもPixel 5もブラウジングやSNSをする分にはサクサクです。むしろリフレッシュレート(画面のヌルヌルさ)が高い分iPhoneよりも快適にSNS廃人になれる気がします。
ゲームについて
重いゲームの代表ということで「原神」のデフォルト設定でゲーム性能を比べてみました。
ゲームではやはりiPhoneが強いです。Pixel 5も軽い2Dゲームなら問題ありませんが、原神のような重めのゲームはストレスを感じてしまうレベルです。
強いて言うなら「ノッチ分の画面の広さ」と「フレームレートの高さ」でバトルロワイヤル系ゲームではPixelにアドバンテージがあるかも…。(勝負どころでカクついたらヤバい)
カメラの比較
カメラは比べていてとても面白かったです。
スマホカメラは毎年どのメーカーもドンドン綺麗になっていますが、絵作りが全然違うので撮影が楽しかった…。
今回は「朝」「夜」のふたつの場面で撮影した写真を比べていきたいと思います。夜の撮影については2機種ともナイトモード(夜景モード)で撮影しているのでナイトモードでの差がどうなのか、是非見てみてください。
朝の撮影
左がPixel。右がiPhone。写真内のバーを動かすことで写真を見比べることが出来ます。
まずは朝焼けの写真。
左側のPixelは目で見える色に近く、加工感のない色味です。雲の明るい部分が白飛びしてしまっているのが少し気になりますね。
右側のiPhoneは雲の明るい部分暗い部分共に描写が綿密なことが分かります。全体的に明るく見栄えはiPhoneのほうが良さげ。
砂浜。違いが顕著。
同じくiPhoneの方が明るく写真として見栄えがいいですが、見たままの色に近いのはPixel。
このあたりはどちらを好むかは人による気がします。少なくとも撮ってすぐにSNSに投稿したくなる、つまり””””映える””””のはiPhoneですわね。
解像感についても今回はiPhoneは強いですね。砂のツブツブ感がよく出ている気がします。
頑張れPixel
次は木の根元から見上げたショット。逆光。
逆光に強いのはPixelのようです。空の青と細めの枝先がしっかり残っています。すごいぜ。
iPhoneは空が白飛び、木々の陰の一部が黒潰れしています。コントラスト差が激しい場面では比較的弱いのかもしれません。
朝の場面、最後はポートレートモードについて。
被写体の大きさが違いますね。ミスではない。
色味や解像感については同上です。
ボケ感については個人差はあると思いますがiPhoneの方が自然なボケな気がします…しない?
しかしポートレートモードについてはさらにもう一つ、大きな違いがあります。
Pixelは被写体と距離が近くても画面内で被写体をタップすることで被写体として認識してくれますが
iPhoneは被写体と距離が近すぎると被写体として認識できず「離れてください」と表示が出てしまいます。
つまり被写体から距離が撮れない場面、お店等の屋内でポートレートモードを使用する時などです。そんな場面ではiPhoneはポートレートモードを使用できないかもしれません。
そう考えるとポートレートモードについてはPixelの方が使い勝手が良いと思います。
夜の撮影(ナイトモード)
綺羅びやかな街並み。
やはり一見明るく華やかに見えるのはiPhoneに見えますが、少し黄色みが強い気がします。
対してはPixelはiPhoneよりは暗く見えるも白がちゃんと白く、色味のバランスが良く見えます。
iPhoneの黄色みは相変わらず。さらに「ピカデリー」の周りが明るくなりすぎてディテールが失われているように見えます。
Pixelはピカデリーのディテールも残しており、一見良さそうに見えますが写真上部のビル壁の暗い部分がざらついてしまっています。
この2枚は色味の違いが顕著に出ています。
カメラについてはどんな場面でも「色味」に差があるように感じました。
ぱっと見で明るく見えてSNS映えするのは圧倒的にiPhoneだと思います。この価格と手軽さでこのレベルが撮影できてしまうのは1億総フォトグラファー化計画か何か?
Pixelは派手さはないけど目で見える色に近く、ポートレートモードも使い勝手が良いです。ハマる人にはハマるかも。
ただ一点Pixelカメラで注意点が。
シャッター音デカすぎ
異常にうるさいです。「シャッ!!!!!」って。
是非家電量販店で他のスマホたちと聞き比べてみてください。マジでうるさい…。
総評
正直なところ「どちらか一台しか選べなかったらどっちを取る?」と聞かれたらものすごく迷います。
・ゲームもSNSもなんでもござれな「iPhone 12 mini」
・重いゲームは出来ないけど(個人的に)カメラが楽しい「Pixel 5」
(iPhoneカメラの色味とポートレートモードの使い勝手の悪さが…)
悩んで悩んで悩んで、後ろ髪引かれながら多分iPhone 12 miniを選ぶ感じがします。
Pixelがないと楽しいカメラはなくなりますが、iPhoneもPixelほどではないですが楽しいカメラではあるので。
Pixelだけしかない場合は、「超重いけど超面白い神ゲー」が出た時に困ります。カックカクな状態ではやりたくない。カメラが楽しくても出来ないことがあるということは結構辛いです。
とはいえ指紋認証があったり、生活に寄り添ってくれるのはPixel 5です。実際私が生活の中でよく使っているのはPixel 5で、Pixel 5が出来ないことをiPhone 12 miniで補っていく。
どちらも「小型軽量」で「Felica(おサイフケータイ)」「防水防塵」「綺麗なカメラ」を備えています。それ以上でスマホ望むことでどちらのスマホを選ぶかが変わってくるでしょう。
この約75000円のスマホたち、どちらかでも生活の相棒にいかがでしょうか。
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